Masiiはツワモノの周りにはツワモノが集まることを知った。
《本当にこの子を家に泊めても平気なのだろうか?》
Masiiは長野のミカの民泊の家主でもあった。
《またツワモノの友人などを連れ込んでドンチャン騒ぎを起こさないだろうか…。
あんなおっさんなんて序の口で、ゲイバーからのおっさんのなだれ込みなんかがあったらマジ人生終わりそうだな…。》
などと妄想をしているうちに居酒屋に到着しお互いビールで乾杯をする。
『カンパーイ☆』
「カンパーイ☆」
長野のミカは普段から遊び慣れているだけあり、飲みっぷりもよくノリもいい子だった。
見た目は【水戸なつめ】の髪型をロングにして、ふっくらとさせて田舎っぽくした感じで可愛かった。
『いい飲みっぷりだね!さすが長野っ子!笑』
「あ〜バカにしただろ〜!自分だって元々田舎者のくせに〜」
Masiiは静岡県出身だった。
『お隣さん通し仲良くしようや〜☆』
と言いつつ、長野のミカのナスのお通しを食べる。
「あ〜ちょうどナス嫌いだったからよかった〜笑」
『そうなの!?美味しいのに〜
ほれほれ、食べてみ〜?』
長野のミカの口に持っていく。
長野のミカはお通しを渋々口に含む。
「ウゲェ〜〜。
やっぱり味と食感がダメ〜。」
『キャッハッハッハ〜☆』
長野のミカとは歳も近くノリの良さもあり、打ち解けるにも時間はかからなかった。
『ところで、サイトでいろいろな人と会ったりしてるんでしょ?
初めて会う人の家にいきなり泊まるって怖くないの?』
「ん~。最初は直前にやっぱりやめたってのはあったけど、最近は慣れたかな~」
「なんかサイト経由だと怖い人とか悪い考えを持った人が多いのかな~って思ってたけど、意外とそうでもなくて単純にヤリたいだけって人が多いから。」
「結構いい人もいて、ご飯や交通費くれたり体目的でない人もいたり、さっきのおじさんみたいに親身になってくれる人もいるし楽しいよ☆」
「わたし一人でいるのが寂しくて、誰かにかまって欲しいタイプだから!笑」
『そうなんだね。
でもやっぱり体目的ってことは・・・。するわけじゃん。』
『女の子って男よりリスクが大きいじゃん。
ちゃんとその~…ゴムとかつけてるの?』
Masiiは長野のミカの東京での生活が気になって気になって仕方ない。
「うん!ちゃんと着けてるよ!」
『そか!それならよかった!』
Masiiは自分の性病のリスクを考えていた。
Masiiにとって性病にかかるということは、【プロサッカー選手にとっての足の骨折】、【政治家にとっての落選】、【サルにとってのバナナアレルギー】と同じくらい重大なことで、出会い系サイトの土俵に立てないことを意味していた。
絶対に性病にかかりたくないと思っていた。
「あっ!?でも安全日だったり信頼してる人とは生でしちゃうときもあるかも!笑」
『え~!?!?それはダメだよ~。
性病にかかったらどうするのよ~。』
「心配ならMasiiくんとはしないから安心して!笑」
ふてくされるMasiiだった。
【第25話】へ
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